フィールドトリップ in 智頭 (鳥取県)

雨降る山で日本の林業を学ぶ


10月27日から30日まで、ミドルベリー大学日本校の毎年恒例のフィールドトリップとなった「鳥取県智頭町」へ行ってきました。
私としては今回二度目の参加。 去年の様子はこちらをどうぞ!
一緒に交流する公立鳥取環境大学の学生さんたちにもリピーターが結構いたので、なんだか嬉しい気持ち。
ちなみに今年は当校の参加学生の人数が多かったため、鳥取グループと長野グループに分かれフィールドトリップを行いました。
当校ディレクターである江田先生は長野県天竜村に行く形となったので、鳥取グループを引率する私としては内心かなり焦っておりました。
結果的に、智頭の皆様、環境大学の皆様のおかげで今年も素敵な経験ができて本当に感謝です!

では、出発!(この四日間で晴れ間を見たのはこの日だけだったかもしれない)

一日目
移動でほとんど終わります。今回は新幹線を使って陸路を行きました。
大学を13時過ぎに出て、鳥取駅に着いたのは20時頃でした。

今日はホテルでゆっくりして、明日からが本番。雨雲迫る。

二日目
早朝、バスに乗り込みまずは合流のため環境大学へ。
一年ぶりの大学の姿は懐かしく、何より学生たちの変わらぬ元気な歓迎ぶりに嬉しくなりました。
バスの中で留学生たちともすっかり仲良くなり、智頭に着いた頃にはもう仲良し?!


役場では留学生主体でオリエンテーションをしてもらいましたが、
日本語・英語を交えながら楽しくコミュニケーションできていました。

 

 

 


その後、小雨降る中、班ごとに分かれて智頭町街あるき。

同じ鳥取に住む人でもなかなか来る機会がない人も多いので、
留学生ともども新鮮な気持ちで景色や店を眺め歩きました。

 

 

 


お昼を食べた後は杉山を実際に登ってみたり、国も重要文化財である石谷家住宅の見学に行きました。
特に石谷家ではフォトジェニックな所が多く、留学生たちはしきりに写真を撮っていました。
理想的な日本の住まいがここにはあります。

 

 

 

智頭初日、地域の魅力をたっぷり教わった後、民泊で地域の暮らしを体験し、たらふくご馳走を食べたのでした。

そして台風迫る三日目
当初の予定では芦津の山に入ってじっくりきりきり山作業をすることになっていましたが、あいにくの大雨。
学生たちは山作業が不安だったのか、少し安堵していました。
しかしながら、せっかく智頭にいるのだからと地域の方々の粋な計らいで、公民館の小屋で木を切る体験をさせていただきました。
 のこぎりで丸太を切るJDさん。結構体力のいる仕事なんです。

夕方近くになると、少しばかり天候が穏やかになってきた様子。
話し合いの結果、山へ入ることに決まりました。
私としても、どうしても山で作業をさせたかったので助かりました。
というのも、この智頭という地域の面白いところは、「山を利用した経済」にあります。
「山」は木や水を生む財産でもありますが、管理が行き届かなければ土砂崩れや洪水など大きな災害に発展するリスクでもあります。
少子高齢化や人口の流出などにより、その管理は時代とともに立ち行かなくなっていきます。
この問題に歯止めを打つべく、智頭の方々は一早く立ち上がりました。
それが、「木の宿場プロジェクト」。
その中でも「杉小判」という地域通貨を発行するというシステムに着目しました。
林業に従事していない人でも、伐採した木を軽トラックなどに積んで集材所に運ぶことで、その量によって杉小判が発行されるというものです。

プロジェクトの概要などはこちらをぜひご覧ください!

持続可能な社会作りは日本だけでなく世界中で大きな問題となっています。
その取り組みの一つである智頭の「木の宿場プロジェクト」を留学生たちに紹介し、実際に体験してもらうのがこのフィールドトリップの趣旨だったのです。

そして日が落ち始め、雨足も弱まりきらず降りしきる中、レインコートに軍手を装備した学生たちはせっせと丸太をトラックに積み込みました。
目標分積み切ると、辺りはすっかり真っ暗です。
学生たちは働いた報酬として杉小判1000円分を無事に頂き、智頭のお店で買い物を楽しみました。

最終日の4日目
このフィールドトリップの最後を締めくくるのがプレゼンテーションです。
朝一で鳥取環境大学へ移動し、グループごとに分かれて午前中にプレゼンの準備をしてもらいました。
時間がない中、留学生と鳥取環境大学の学生たちが協力し、内容や写真の選定など練っていました。
そしてあっという間にプレゼンの時間になると、学生たちはこの三泊四日の経験についてしっかりと発表しました。

画用紙やムービーを用いたり、写真だけでない工夫も素晴らしかったです。
特に言語の指定はなかったのですが、鳥取環境大学の学生も全て英語でプレゼンに挑み、見事に発表していました。

最後の別れは切ない。

短い期間でしたが、そこには確かに友情が芽生えていました。
地域の方々や日本の学生との交流を通し、林業体験以外にも様々な経験ができ、留学生たちの糧になったと思います。
ご協力くださった皆様、今年も貴重な体験を本当にありがとうございます。
来年は、晴れるといいな。。。

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