フィールドトリップ in 鳥取

3泊4日の山里体験


10月28日から31日の四日間、ミドルベリー大学日本校のプログラムとして鳥取県へ研修旅行に行ってきました。

杉のまちとして全国的にも有名な「智頭町(ちづちょう)」で日本の山の環境や林業について学びました。
このフィールドトリップは、机で勉強しているだけでは分からない生の自然に触れられ、東京とは違った日本の一つの姿を知ることができる貴重なプログラムです。
地域の皆様方には今年も大変お世話になりました。

一日目
国際基督教大学(ICU)での授業が終わった後、三泊四日分の重い荷物を引きずりながら、学生たちは羽田空港に向かい鳥取に旅立ちました。
夕方に出発し、着いた時には夜でしたのでそのままホテルに泊まり、本番は二日目からとなります。
その夜は自由行動で、学生たちは鳥取市内を散策してローカルフードを食べ歩いたり、タクシーで鳥取砂丘を見に行くグループもいました。
次の日からは忙しくなるので、今のうちにしっかり楽しんでおります。

二日目
生憎の雨。
木を伐りに山へ入る予定でしたが、座学へ急遽変更となりました。
鳥取環境大学の学生たちと合流し、「どんぐりの館」という地元の杉で作られた素敵な公民館でオリエンテーションや講座を開講しました。
日本の山村で国籍問わぬ若者たちが英語と日本語を交え話し合っている光景は、なかなか珍しいものです。
智頭の芦津(あしづ)財産区議会議長の綾木章太郎さんによる、智頭の山・林業についてのお話になるとみなさん真剣に話を聞いていました。
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急な予定変更でも何事もなくどっしりと構えていた綾木議長、さすがです。そして感謝です。
夜は山郷小学校に泊まりました。
作り直して15年で廃校になってしまったというこの小学校。大変状態が良く綺麗です。
教室に布団を敷いてみんなで寝ました。
合宿のようで懐かしく感じ、東京では味わえない感覚に浸りながら夢の中へ落ちていきました。
ご飯も地元の食材を使っていて、それがまた美味しい!
ちなみに一部屋4000円ととってもリーズナブル!
智頭へお越しの際は山郷小学校をぜひご利用ください→ R373やまさと
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三日目
待ってましたと言わんばかりの晴天。
早速智頭の山へ入り、山のプロたちによる指導を受けました。
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重機で木を運んだり、チェーンソーで杉を華麗に切り倒していく様を見て、学生たちはもちろん、私も盛り上がってしまいました。
ただ切ればいいというものではない。
木々の間隔を適切なものにするよう伐採しなければならない。
間隔が狭すぎれば密林化し、大雨の時には根っこから折れてしまい、その倒木によって大量の水がせき止められ、決壊すれば大変な水害になる。
間隔が広すぎれば山の保水力がなくなり、土砂崩れが起こりやすくなる。
前日の講義で教わったことですが、実際にその仕事を見るとプロフェッショナルの技術や精神が必要とされる尊いものだと実感しました。
夜はどんぐりの館に智頭町長がお忙しい中来てくださり、私たちに智頭の未来について講演してくださいました。
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智頭という地方が未来に渡って元気で居続けられる方法を本気で模索し、実行していることが分かる大変貴重な講演でした。ありがとうございます!
そしてその後は地域の方々との宴会です。
宴会に駆けつけてくださった地域の皆様、地元のお話や体験を聞けて勉強になりました!ありがとうございます。
そのままどんぐりの館で宿泊。
すっかり鳥取環境大学の学生たちとも仲良くなり、楽しく夜は更けていきます。
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四日目
早朝5時、私は一人早く目が覚め、どんぐりの館に併設されているお風呂「ももんがの湯」に入りました。
地元の杉の匂いでいっぱいのお風呂は、より暖かさが感じられ、心から癒されました。
外に出ると、少し空が明るくなっていました。
私の火照った身体から出ている湯気のように、智頭の山は蒸気をもくもくと漂わせています。
四方が雄大な山に囲まれた集落。しかし圧迫感はなく、むしろ守られているような安心感さえあります。
だからこの地域の人々は山へ多くの感謝をするのだろうと、何となく思いました。
そして神社へと足を運び、感謝と祈りをささげて鳥取最後の一日が始まりました。

最後のプログラムは、鳥取環境大学でこのフィールドトリップを通してのプレゼンテーションをしてもらいました。
鳥取環境大学には英語村という場所があり、そこでは英語しか話せません!
その英語村でディベートや発表を行います。
しかし私たちのプログラムの学生たちにとっては水を得た魚、むしろ困るのは私の方でした。
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言葉少なに、写真を撮り続けました。
発表は鳥取環境大学の学生とミドルベリー大学日本校の学生たちが交わったグループに分かれ、行われました。
・地方と都会について
・智頭での活動について
・資源について
・活性化について
それぞれ英語でスピーチし、多くの拍手をいただきました。
そしてこの日はちょうどハロウィン。
環境大学のみなさんと一緒にハロウィンパーティをして、楽しい締めくくりとなりました。

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智頭の皆様、鳥取環境大学の皆様、本当にお世話になりました!
大変有意義な体験ができました。ありがとうございました!
このフィールドワークも持続的な活動となるよう努めて参ります。


智頭での研修について別にまとめたものを用意しました→ 鳥取研修レポート

 

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