限界集落で地域おこしに奮闘!
去年の10月末のことになりますが、私共のプログラムでは人数の関係で「鳥取県智頭町」と「長野県天龍村」にグループを分けて行ってまいりました。
智頭町についてはこちらに詳しくレポートしましたが、天龍村についてもぜひお伝えしたいことがたくさんある素晴らしい地域でしたので紹介したいと思います。
天龍村は、長野県の南端に位置している人口1350人ほどの集落です。
日本の大きな問題でもある少子高齢化社会の最先端を走っているような地域でもあり、地域に根差した文化の存続が危ぶまれます。
しかしながら、村民たちは元気で快活。
山々の美しさや村の真ん中を流れる天竜川の堂々とした美しさは変わりません。
ミドルベリー大学のプログラムとしては初訪問となるこの天龍村に、4名の学生が参加しました。
鈍行で、ほぼ貸し切り状態の鉄道。
山へ入っていく期待と不安が、がらんと空いた車内に入り込んできます。
やっとこさ辿り着いた天龍村はもう真っ暗。
早速宿泊先のコテージに移り、明るい光と温かい料理を楽しみました。
すっかり寛いでます。
余談ですがアメリカではあまり家庭用の石油ストーブに馴染みがないそうです。
このような小さくて可愛らしい(しかもやかんも沸かせる)ものは見たことないんですって。
ネコみたいに暖を取っていますね。
夜が明け、紅葉が色めき始めた天龍村を囲む山々の風景は見事。
村を守るために林業も大事な仕事です。
村の人が、天龍村での林業についてやさしく教えてくださいました。
そして、天龍村の祭りで使われる篠笛づくりにも挑戦!
村の職人に教わりながら、慎重に、丁寧に作っています。
焼き栗なんかも作ったりして、楽しみながら。
作り終わったらいざ実践!音がうまく出るかな?
10分ほど奮闘し、なんとか音は出ましたが、メロディーにするのは難しい!
村の人によると、きちんとした音色に出せるようになるまでは3年ほどかかるそう。
これは笛の問題ではなく、吹く人の技術の問題。
そしていまこの天龍村ではお囃子の笛を鳴らせられる人が二人しかいないんだそうです。
持続可能な社会とは、こういった文化の存続も考慮すべきだということを忘れてはいけません。
雨も弱まり、少しお散歩。
天龍村の地域おこし協力隊(天龍村ありが隊)の方の案内で、中井侍という駅の近くの茶畑をぶらり見て回りました。
頭の上に乗せているのは天龍村特産の柚子!そこら中に実っています。
雄大な天竜川を横にして段々と連なる茶畑が美しいですね。
お茶摘みの季節にもまた伺いたいものです。
天龍村では地域おこし協力隊という制度をうまく活かし、活気ある村を目指し奮闘してます。
そんな村の魅力と努力のおかげか、地域おこし協力隊を卒業後、村に残って結婚し、子供が産まれる予定のご夫婦がいます。
一年で子供が生まれる数が一桁の村で、大変大きな、そしてありがたい事例でしょう。
そんなご夫婦のお住まいにお邪魔し、村の良さや村で生きていくことなどを語っていただきました。
温かく迎え入れてくださり、貴重なお話をありがとうございました。
少しばかり肉体労働でお礼を。
ということで、ご夫婦が今後営む村カフェの石壁の色塗りをお手伝いしました。
石の周りの部分を白塗りし、浮き出た石をくっきり目立たせます。
無事、すべて塗り終えましたー!(一番左がご夫婦)
三泊四日の旅でしたが、天龍村のみなさま、天龍村ありが隊のみなさま貴重な経験をありがとうございました!
同じ日本でも東京とは違った美しさがあり、楽しみがあり、問題もある。
村や文化を残す難しさや尊さを学んだ旅となりました。