鳥取・間伐・新しい友人たち

持続可能な間伐


 

 

 

毎年恒例!鳥取県智頭町での活動の様子を報告します。この町では「持続可能な社会づくり」を間伐という視点から考えます。

去年は学生の授業の関係上、夜行バスで東京から鳥取駅まで向かいました。しかしながら、10時間近くのバスの旅で体調不良者が続出したため、今年は飛行機です。
19時に鳥取駅に到着、荷物を置いて早速晩御飯に向かいます。晩御飯はみんなが大好きなお好み焼きです。
「関西風」「京風」「府中焼」「広島焼」などたくさん選択肢があり、迷ってしまいます。
おなか一杯食べて、明日に備えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

活動初日

朝は730集合。
前日から「早すぎます!」と文句を言っていた学生達ですが、しっかりと集合時間(に数分遅れて)現れてくれました。
長野県天龍村からアシスタントとしてはるばる来てくださった村澤さんも私たちと一緒に活動します。

まずは鳥取環境大学の学生たちと合流です。ミドルベリー大学日本校は女性1人、男性6人に対し、鳥取環境大学は女性2人、男性5人で、ちょうど男女の比率が半々になりました。

バスに乗った瞬間から、お互い自由に自己紹介を始め、芦津に到着するまで車内はとても賑やかでした。
バスの中から見える景色が少しずつ変化してきます。工場などの大規模な建物が多かったのですが、次第に山や川や田んぼが増え、葦津に近づいてきたのを感じました。
バスの中では学生たちが出身地の話や留学生活について途切れることなく話続けています。

そうこうしているうちに、拠点となるどんぐりの郷に到着いたしました。
準備を整えると早速山に出発です。

 

まずはプロによるデモンストレーションから見せてもらいました。チェンソーで切り、倒した気を重機で釣り上げ、枝打ちをして、必要な長さに切ります。切られた木がほぼ同じ長さであることに学生たちが感動しています。

その場で、どうして杉の木がたくさんあるのか、そしてなぜ間伐が必要であるのか話を伺います。お話によると、杉の木は、60年ほど前に、先人たちが一本一本、植えてくれたものだそうです。当時は木はとても需要が高かったのですが、海外からの安い木材の輸入や、代替品が出てきたことにより次第に木の価値が下がってきました。また、林業従事者が減ったことにより山の手入れをする人がいなくなってきました。間伐をしなければ、日光を十分に取り入れることができないため木があまり太く成長しません。そのため、間伐をすることによって、一本一本の木を大切に育てることが必要になります。木を大きく育てることは、しっかりと根を這わせることにもつながり、降ってきた雨水を山に留まらせる役割も果たします。

また、山の頂上から2,3割は針葉樹ではなく広葉樹にしたほうが、山の生物の食料を確保することにつながる、というお話も伺いました。

 

お話の後は、お昼ご飯をたべ、いよいよ実践です。

ミドルベリーの学生たちはチェンソーを見て興味津々でしたが、残念ながら留学生たちはチェンソーを使うことは許されておりません。そのため、環境大学の学生がチェンソーを使うのを見守ります。ミドルベリーの学生たちの任務は倒れた木の枝打ちをすること。木が倒れたら、のこで細い枝を切ります。太い枝はなかなか切れないため、三人がかりで協力して(一人30秒。時間厳守。グループメンバーが数えます。)少しずつ切っていきます。

 

 

伐採の体験の後は、すでに切られている木をトラックに詰め込む作業を行います。しかし、単に詰め込むだけではありません。直径を図って、表に記入し、本数を数えるという作業が必要になります。これらの作業を、皆協力して行いました。

雨がちらつく中、全身の筋肉を使って、どんどん木を積み上げていきます。
しばらくトラックに木を積んでいましたが、雨足が強くなってきたので、切り上げることになりました。山から下りた後は、カレー調理組とクリーンセンターに木を運ぶ組で分かれます。
カレー組は、玉ねぎに泣かされながら、大きい鍋に大量にカレーを作りました。これが晩御飯になります。

クリーンセンター組は、木を下ろして、杉小判をもらうというセレモニーを行いました。
 

 

 

 

 

 

一仕事終えた後は、大宴会の始まりです。

朝採りたて(?)のはちのこのフライもあり、学生たちは恐る恐る口に入れていました。思ったよりもおいしかったようで、おかわりをする学生もいました。幼虫はコメントの難しい味でしたが、成虫はエビのシッポのような風味でなかなか親しみの持てる味でした。この日は、夜中近くまで語り合う学生もいましたが、大部分の学生はすぐ眠りの世界に旅立っていきました。

 

 

 

 

 

 

 

活動2日目

芦津は杉山に囲まれたとても緑豊かな美しい地域。
朝になると、きりっと冷たい澄んだ空気が集落を満たしています。
学生たちもさわやかに起きてきました。

 

 

 

 

 

 

朝食の後、綾木さんがシイタケを栽培しているビニールハウスを案内してくださいました。
冬の間、シイタケを栽培することによって、地域の人が集まって交流を深める機会になっているようです。澄んだ空気の中、ゆっくりお散歩しながら貴重な話を伺うことができました。

お散歩の後は、3つのグループに分かれて、「持続可能な社会」と「昨日一日に行ったこと」の関連性について英語でディスカッションをする時間を持ちました。40分程度の短い時間でしたが、環境大学の学生も積極的に英語のディスカッションに加わり、全員で発表してくれました。

 

 

 

 

 

 

午後は智頭宿に向かいます。お昼ご飯を食べた後、杉の木を活用して作られた立派な日本家屋(石谷家住宅)を見せていただきました。学生全員で住んでもまだ余りそうな部屋数や立派な装飾に、とても感心したようです。将来こんな家に住むんだと心に誓う学生たちです。

見学の後は、グループに分かれて智頭宿の散策です。昨日いただいた杉小判を握りしめて買い物に出かけました。
和菓子屋さんで美しい練り切りを購入したり、パン屋さんでたくさんのパンを買い込んだりと思い思いの使い方をしていました。

買い物の後は、木の宿場プロジェクトについてのお話を國岡さんから伺いました。実行者ならではの動機や今後の展望などを直に聞くことができ、活発に質疑応答がなされていました。話を伺った後は、間伐材を使用したボイラー見学です。乾燥させて軽くなった間伐材を持たせていただき、実際にどのようにボイラーを動かすかを見せていただきました。昨日切った木たちがこのように活用されるのを目の当たりにすることができ、地域の中でエネルギーを循環させるという意味を実感することができたかとおもいます。

日が暮れたら、それぞれ民泊家庭に出発し、地元のご家庭でお食事をいただきました。それぞれのご家庭でおいしいごはんと楽しいおしゃべりを楽しんだようです。

 

 

 

 

 

 

 

活動3日目

あっという間に最終日です。朝7時に集合し、バスで鳥取環境大学に向かいます。智頭町の皆様、温かく歓迎してくださってありがとうございました!
鳥取環境大学には英語村という素晴らしいセンターがあり、その中ではみんな英語を話すことになっています。そのため、まとめのディスカッションと、発表の準備をみんなで協力して英語で行います。鳥取環境大学の学生は授業があるため、残れる人だけが残って作業を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

発表会には多くの方が出席してくださいました。学生たちは、明確な英語と効果的な視覚情報を駆使してメッセージを伝えられていました。短い準備時間でしたが、活動内容や活動とSDGsの関わりについて話し合った内容を簡潔にまとめて発表できていました。途中でイーさんが熱弁してくれたカメムシとの闘いの話も楽しんでいただけたようです。発表が終わると、いよいよお別れの時間になってしまいました。3日間寝食を共にした仲間と離れるのは非常に名残惜しかったかと思います。環境大学の皆さんはバスが見えなくなるまで手を振り続けてくれました。その姿に学生たちは感動していました。環境大学の皆さん、ミドルベリー大学日本校の学生たちと友達になってくれてありがとう。

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