二か国を結ぶ言語交換
前回の記事でも報告しましたが、今学期ミドルベリー大学日本校ではオンライン地域活動を行いました。
ICU学生との協働プロジェクトで、2つのグループがあります。それぞれのグループはミドルベリー大学日本校から2人、ICUから3人の合計5人で成り立っています。
この記事ではグループ1の活動をご紹介します。
グループ1はミドルベリー大学のギルバートさんとハミルトン大学のカリクトさんのグループです。
グループ1に与えた課題は、「それぞれの大学・地域に所属する人は今何に困っていますか。そのニーズに合うプロジェクトを企画してください」というざっくりとしたもの。
プロジェクト内容を決めるのに苦労していましたが、何度かZOOMミーティングを行い、言語交換プログラムを計画、実行することに決定しました。その名も「三鷹言語交流プログラム」。5月上旬には、タイムスケジュールも含めた詳細な企画書が提出されました。
このざっくりとした枠の中で、緻密な計画書を書いた学生の能力に感心します。
ターゲットはミドルベリー大学及びハミルトン大学の学生(日本語学習者)、ICU学生(英語学習者)そして三鷹の住民(英語学習者)です。この3つのコミュニティに所属する人たちをマッチングし、お互いの母語を教えあう言語交換プロジェクトを3週間にわたって行いました。
プロジェクト実行にあたり、5人の学生たちは役割分担を行いました。参加者を募集する係、ミーティングの議事録を作る係、ZOOMの部屋を作成する係、マッチングのためのフォームを作成する係・・・などです。
また、言語交換開始前には、ZOOMの使い方の説明や会話のトピックの提案を参加者に送るというサポートも行っています。
それぞれの言語交換が終わった後は参加者にアンケートを配布し、良かった点と改善点についての意見をもらい、次回に活かしました。いかにしっかりと計画を練っても、100%予測していた通りにはいかないため、その都度柔軟に対応したようです。
3回の言語交換プロジェクトではミドルベリー大学から2人、ハミルトン大学から2人、そして三鷹から7人の参加者をマッチングできたという報告がありました。
言語を勉強しているけれどもアウトプットの場がない学習者たちをつなげた今回の企画。
実際の言語交換の場に至るまでに様々な紆余曲折があったようです。
ミーティングで話されている日本語が早すぎて理解出来なかったり、すぐにLINEの返事をもらえなかったり、インターネットの接続がうまくいかなかったり・・・。しかし、ミーティングを録画して後日また確認する、スクリーンを共有しながら議事録を作成する、などひとつずつ対処していきました。
ICUの学生も、忍耐強く日本校の学生とコミュニケーションをとってくれました。まとめのミーティングでも、
「問題なのは言語ではない。理解しようと努めたらコミュニケーションが取りやすくなった」
「とりあえずやってみるのは大切だということが分かった」
というコメントを残してくれました。
大まかな枠組みしか与えられず最初は戸惑いもあったかと思いますが、ターゲット、目的、方法を練り、企画実施後も都度修正を加えてよりよいプロジェクトにすることができました。
初めての二か国間オンラインプロジェクト、大変お疲れ様でした!