日本の秘境~原風景の守り手たちとともに~
日本は今、グローバル化や科学の発展などにより、文化の砂漠化が進んでいるという危惧があります。
経済優先の現代では、効率化の名のもと手間を惜しみ、過程の美しさを知りません。
物という結果が溢れかえり、選択するだけで疲弊します。
そのような時代でも、自分で価値を見出し、それに人生を投資する人もいます。
私たちミドルベリー大学日本校が交流している、長野県天龍村の地域おこし協力隊(ありが隊)の隊員たちがその一例でしょう。
~天龍村とは~
村の面積の9割が山林で、村の真ん中を文字通り龍の如く流れる天竜川が美しい山村の風景を際立たせています。
ブッポウソウが空を舞い、川の恵みを受けた瑞々しい緑の茶畑が広がっている美しい村。
長野県内一の限界集落で、日本でも有数の人口過疎化が進んでいる地域でもあります。
2018年現在、人口は約1300人。高齢化率は60%を超えています。
そのためか村を通る電車は秘境駅だらけ。
東京からおよそ6時間。電車には決して乗り遅れぬようご注意を。
~あっぱれ!天龍村の方にいつも協力していただきありが隊(天龍村地域おこし協力隊)とは~
地域おこし協力隊とは、都市部に住む若者が地方に魅力を感じ、その地域に移り住んで自身の能力や経験をもって還元しようとする人たちです。
総務省による制度であり、地方自治体の委嘱を受けて任命されます。
任期は最長で3年。任期満了後その地域に住み続けるのかという岐路に立つことになります。
住み続ける場合は起業するケースが意外と多いと聞いています。(元々地方には産業が少ないため)
天龍村でもゲストハウスを開業するなど熱いエネルギーを形に変えている方がいらっしゃいます。
天龍村の隊員たちは村のイベントを企画・運営したり、一緒に参加して高齢化した村を明るく盛り上げています。
FacebookやSNSなどで天龍村の魅力を宣伝するのも大事な仕事の一つ。
都市部にも足を運んで村の良さをPRし、私たちとも楽しく、真摯に交流していただいています。
~ミドルベリー大学との交流~
ミドルベリー大学日本校の留学生たちも、村やありが隊の協力を得て、天龍村で活動させていただいています。
2017年からSustainability-持続可能性-をテーマに始まった交流。
初めての年は、担い手不足により失われつつある林業やお祭りのお囃子についてや、新たに生まれるゲストハウスの壁塗りのお手伝いなど地域の人に密着して活動しました。
なくなっていく文化への悲しみと新たに芽吹こうする文化への喜びを体験することができました。
2017年の活動の記事
2018年6月に茶摘みを体験してきました。秘境駅「中井侍」で降り、天竜川の恵みを受けた良質な茶葉を自分の手で摘んでみる。
この過程や経験が、お茶の味を何倍も美味しくします。
お茶摘み活動の記事
いつも温かく迎え入れてくれる天龍村。社会が変わっていっても、いつまでも未来に続いてほしい居場所。
そして私たちは持続的な交流を目指すそのグローバルパートナーでありたいと願っています。